音響

 

 音響の仕事は、一言で言えば「舞台に音をつける」ことです。

 

 まず、演出さんと一緒にどのシーンでどんな音をつけるかというプランを考えて、そのプランに沿って選曲していきます!

 ひとつの音につき何パターンも候補を出して、1番役者さんの演技に合い、演出さんのイメージにそった曲を見つけます。

 自分の好きな映画やアニメ作品のBGMが採用されることも.......!そしてだいたい曲が確定した頃に始めるのがオペ(本番の機材の操作)の練習です。

 

 音響は本番当日に照明さんと一緒に調光室でオペをするので、そのためにたくさん練習をします。

 

 本番のオペは本当に緊張しますが、実際に舞台を見られる上に本番の舞台を作るのに関われたという達成感はすごいです!

一緒に舞台に音を付けませんか?

 


照明

 照明は、灯体と呼ばれる、舞台を照らす道具を使うことで、舞台を彩る部署です。照明の作業は、大まかな流れとして、①プラン会議〜②吊り込み、シュート〜③ゲージ取り〜④本番のオペ……という感じです。

 

 各行程を簡潔に説明すると、まず、①の段階で、台本の雰囲気や役者の演技、演出のイメージを参考に打ち合わせをして、どの場面でどのように舞台を照らすかのプランを固めていきます。灯体の光は、ゼラ(カラーフィルター)を通すことによって色をつけることができ、このゼラをどこで使うかもかなり重要になるので、慎重に話し合います。

 

 プランができたところで、②の作業に移ります。スタジオの高所にある通路(キャットウォークといいます。かわいいですね)を使って、灯体をバトンに吊るしていきます。これが吊り込みです。そして配線をしたあとは、光を計画した通りの場所に当てるために各灯体の角度や光の開き具合を調整する、シュートという作業をします。

 

 

 各灯体の光の強さは、調光卓という道具のフェードによって変えることができ、基本はこの卓がある調光室という小部屋の中で灯体を操作していくことになります。③のゲージ取りで、どのシーンにどのタイミングで、どの灯体をどれくらいの光の強さで使うかを決めていきます。役者の演技に合わせて調光卓を操作(=オペ)する練習(テクリハといいます)を重ねたら、ついに④の本番のオペです。このように、照明は最初から最後まで作業をし続ける、とてもやりがいのある部署です。

 


衣装

 衣装の仕事はその名の通り、舞台で役者が着る衣装を用意することです。

 

 具体的には、まず脚本を読み登場人物たちがどのような人柄でどういった関係性なのかを把握し、演出と打ち合わせを重ねながら、演出のイメージに合った衣装を用意していきます。

 実際に衣装を準備する手段は様々で、劇団員の私物を借用する場合もあれば、購入や、一から手作りをすることすらもあります。

 

 購入する場合は、様々な店舗を巡りながらその役にあった色・デザイン・素材・質感・大きさなどに注視して服や小物を選んで行きます。また最近ではネット通販での購入も増えてきています。

 製作する場合は、布地を売っている店に行き、購入する際と同じようにその役柄に合う布を探して購入し、加工していきます。当劇団の持ち物として裁縫用具やミシンなどが揃っているため、特別な道具を用意する必要はほとんどありません。今までの公演で実際に製作した衣装は、ロングコートやポンチョ、羽織などです。今公演でも一部の衣装を製作させていただいています。

 

 これら服装の用意に加え、役者の髪型やメイクを考えるのも衣装の仕事です。役に合わせて通常のメイクから白髪ワックスなどの特殊メイクまで幅広く対応していきます。

 公演当日には、準備込みと呼ばれる役者の身支度の手伝いに加え、上演中は役者の早着替えの手伝いや汗でとれてしまったメイク治しなどのために裏方で待機をします。

 

 役者が自分とは異なる存在である《役》として舞台上に立つための手伝いをするのが衣装という部署です。仕事内容は多岐にわたりますが、毎公演大変やりがいがあります。

 


舞台美術

 大道具から小道具まで舞台を1から作る部署です。

 

 基本的に本番一ヶ月前から本格始動して、ノコギリ、トンカチ、電動ドリル、電動ノコギリなどを使用して木を切り組み立て色を塗っています。

 

 しかし、舞台美術の活動は作ることだけでなく、設計も要となります。

 演目が決まったら、まず演出さんの意向や、脚本からそれぞれの公演を魅せるための舞台をメンバーで創意工夫して作り上げます。

 

 劇研では毎回脚本家が変わるため舞台の雰囲気もガラッと変わります。一番予算を多く使えることもあり、新しいことにどんどんチャレンジしてみたいと思える部署です。

 


宣伝美術

 宣伝美術は簡潔に言うと「広告媒体のデザインをする」部署です。私たちの作ったもので公演を知るお客様もいるので、お客様を呼ぶという目的においては非常に責任重大な部署となります。

 

 宣伝美術は様々なものをデザインしますが「多くの人に見られる広告」という点では「立て看板」と「チラシ」が挙げられます。簡単に2つの内容を説明すると、「立て看板」は立教大学の正門横にペンキなどで描いた看板です。立て看板はとても立教生の目に付く場所なのでそれを見て来てくれる立教生もいますし、大学と関係の無い通行人の方も目を留めてくれます。「チラシ」は校内に掲示したり制作さんに他団体へ配ってもらうものです。チラシのデザインはTwitterなどのSNSにも上げられ、広範囲で多くの人間が目にします。

 

 

 

 勿論他に当日お客様に渡す「当日パンフレット」や「チケット」もありますし、演出さんやメンバーの提案によっては革新的な新しい広告媒体(動画等)を公演によっては利用することもあります。

 

 普段目を引く「広告」、何となく目を引くと思っていても「何故か」は理解していないことが多いのではないでしょうか。そんな「何故」を考えながらどんなデザインなら公演内容を理解しやすく、お客様が行きたいとおもうか、公演の魅力を広告媒体で最大限表現するために切磋琢磨する部署が宣伝美術です。

 

 


制作

 おそらく、制作と言われて仕事内容が思いつく人は少ないと思います。簡潔に言うならば、制作とは外(お客様)と内(劇団員)を繋げるといったものです!

 

 具体的には、ツイッターやインスタグラムなどのSNS上での情報発信、チケット予約サイトの管理や他大学の劇団や劇場にアポイントを取り、宣伝美術さんが作成してくださったチラシを持ち運び、パンフレット内にチラシを差し込まさせていただいたり、アンケートの作成やアンケートにて、住所やメールアドレスを書いてくださった方々に公演のお知らせとしてダイレクトメールを送信したりしています。

 

 公演当日には、受付にてお客様の対応やアンケートの回収、集計、公演前の前説を行います。

 

 入り期間中には忙しい部署の方のために夜ご飯を買い出しをするBKT(弁当買い出し隊)を行ったり、ありがたいことにお客様から頂いた差し入れの管理も私たちの仕事です。

 

 そして、公演後には、公演後の成功を祝って行う打ち上げの店のセッティングなどの幹事の仕事をします。

 ここまで見るとかなり雑用が多く、あまり演劇に関わっている感じがしないかもしれませんが、実際はお客様の声を最初に聞くことができたり、外と内の全体像を見渡すことができる部署です!

 

 


舞台監督部

  簡潔に言うとこの部署は、全部署の総括といえる部署です。1人の舞台監督と1〜2人の舞台監督補佐により、公演をまとめていきます。

 

  主に、公演日程の決定、通しとミーティングの日程の決定、入り期間のタイムスケジュールの決定、公演参加者の公演費の決定などをします。また、チーフ会議にて各部署のチーフに重要事項を伝達したり、全体ミーティングにて全体の進行をします。部署間の情報共有もとり行い、公演期間に問題が起きないように尽力しています。その他にも、公演関係書類の提出、入り前と入り期間のNG表の作成も入り期間の前に行います。

 

 入り期間中では、毎日のスタジオの鍵の開け閉めと管理、朝の会と帰りの会の進行、1時間ごとのタイムコール、通しや本番の動画の録画、写真撮影、誕生日会の進行など公演参加者が不自由なく入り期間を過ごせるよう心がけています。また、本番中に何か起きた時のために、人員配置と部署ごとの動きの管理もしています。そして、災害などの非常事態に備えてのテクリハも進行し、公演参加者の安全を守る意識を築きます。

 

  この部署演劇と関係あるのか?という疑問もあると思いますが、前述した通り、舞台監督部は公演を取り仕切る上で最も重要な部署です。舞台監督部がいなければ、そもそも公演が出来ない可能性もあるため、演劇に携わる上ではかけがえのない部署です。


演出部

 劇研における「演出部」は、「演出」と「演出助手」の二つの役職によって構成されています。

 

 「演出」とは、その公演の中心となって作品を作って行く役職です。舞台監督さんが公演全体を支える役割だとしたら、演出は作品について指揮をとる存在です。映画でいうところの監督のようなものに当たります。

 

 演出は、上に紹介のあった様々な部署さんと話し合いながら作品を作っていきます。

 

 例えば、音響さん・照明さんとはどのシーンにどんな音楽・照明をどのタイミングで入れるのかを話し合い、舞台美術さんとはどんな舞台を造りたいかイメージを共有します。

そして、役者さんと一緒に話し合いながら、約2ヶ月の間稽古を進めていきます。

 

 演出の管轄に脚本が含まれることも多いです。既存のものをつかっても構いませんが、劇研の演出は多くの場合1からオリジナルの脚本を書きます。

 

 自分の言葉や世界観が平面で完結せず、素敵な舞台の上で役者が演じ、音楽と照明が入って、かたちとなって眼前に現れた時の感動は形容しがたいものです。自分1人で書いている時とは比べものになりません。

 演出の仕事は役者さん、各部署さんとの連携によって積み上げられていくので、信頼が必要不可欠です。そして、平均3ヶ月の間自分の作品と向き合い続けるため、強い忍耐力が必要とされます。

 

 自分の作りたいものを表現したい、具現化したい、本気で一つのものを作りあげてみたい、そんな人にげきけんの演出はぴったりです。


役者

 みなさんこんにちは!役者と聞いてまず何が浮かびますか?小学校の頃にやった学芸会、ベランダから叫ぶジュリエット、映画やドラマのかっこいい俳優さんなど色々思い浮かぶと思います。どれも正解です。役者は本番で役を演じるのが仕事です。

   

 私たちのサークルで役者をやりたいと思った人は公演毎にオーディションを受けます。台本の一部分のセリフを読んだり、即興でお芝居を作ったりします。次にいよいよ稽古。体を動かすミニゲームや発声練習、エチュード(即興劇のこと)の後に、シーン毎に稽古をします。そして、約1-2ヶ月ほど練習して本番を迎えます。

   

  役者って意外と大変です。まず、週5日稽古があります。土日は朝の9時からやることも…。台本を覚えるのも大きい声が出すことも大変ですが、1番はその役について考えることです。この役はどんな人でどんなことを思っているのかということを考えます。そのために台本を何度も読み、他の役者とたくさん話し合います。これがいくらやっても足りない‼1ヶ月以上やるのに足りないんです‼しかも、本番になって初めて分かることもたくさんある。不思議です…。あと、仰々しいですが、役を見つめていく中で自分ともたくさん向き合うことにもなります。難しい。

 

    でも、色々言いましたが結局楽しむことが何よりも大事です!最後の最後舞台の上で誰よりも楽しむのが役者の仕事です。